象のしっぽを追っかける

Tの化石採集日記

北上山中にて自主隔離? その4

 D2近辺

 初めに見つけたD2のポイントがあるのだが、その時はまだgarminがなくGPSの記録がない。大体の場所は覚えているが見つけられなかった。林道終点近くの風化が進みすぎてグズグズの露頭は誰かが頑張って掘ったらしく大分大きくなっていた。これだけ掘ればいい状態の岩になっているかと思ったがあまり変わっていなかったのでやめた。

 ボヘミやんにもらった論文によるとこの近辺に他に2か所ポイントがあると書いてあったので探してみた。一か所は確かに転石に化石があったが土に埋もれて露頭はなかった。ここはGPSのlogにも旗が立ててあった。多分「転石に化石あり」ということだったと思う。もう一か所も確認できなかった。当時は露頭があったのかどちらも数種類の三葉虫が出たようだが見る影もない。この近辺の続きは延長を掘って探すことになる。やるかどうかは微妙なところだが、D2の最初に見つけたポイントはもう一度試したい。

 

 D6 

 D6の東側にも腕足が入った石があったはずと探しながらD6に向かうと途中にいい感じの岩質の露頭があった。この石から出てくれると理想的、と思ったが見つからなかった。続いて掘った穴が出てきた。「もう少しきれいに掘ろうよ。」と思ったがそこがD6だった。自分では下にたまった石をだいぶ掘り下げたつもりでいたがそうでもなかったようだ。アカントピゲの頭部、カリメネの尾部と頭鞍が出てきて期待が膨らんだ場所だ。石は掘りだせるもののここの石もやはり茶色いシミを残して勝手に割れてしまう。あらかた割れて大分小さくなった石を細かく割っていく作業をほぼ一日続けてきたが持ち帰った石は多くない。持ち帰った石から出てきたものも含め普通であれば捨てられるような小さなものでもこの層のサンプルとして記録しておく。

 

三葉虫

 不明種尾部 W12ミリH9ミリ 時々出てくる不明種の尾部の中では比較的大きく形状が確認できる。これは何のしっぽ?

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 不明種胸部 W42ミリ 多分もとは45ミリくらいだろう。ファコプスにしては大き過ぎ?風化した状態で落ちていた。

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W7ミリのファコプスの尾部とW6ミリの頭部断片(タイプ不明)

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不明種

W3ミリの頭鞍、頭鞍側溝は確認できない。眼の形状が分かるチークと小さすぎる尾部

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上の頭鞍と同じと思われるものが新たに出てきたので追加しておく。W3ミリすっきり何もないのが特徴のようだ。

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腕足類

1.Leptaena analogaeformis?左W24ミリ、右W22ミリ

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2.Navispira dorsosulcata(Okubo)2個体左W7ミリ、右W9ミリ

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3.Frankiella sp? 3個体左W10ミリ、中W6ミリ、右W7ミリ

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4.D6不明種1 W7ミリ

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5.D6不明種2 W19ミリH30ミリ

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6.D6不明種3 W22ミリ

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7.D6不明種4 W12ミリ

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8.左2個体D3不明種10?右は似ているが違う。左からW10,,11,12ミリ

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9.D1不明種1?W27ミリ(左)10.D6不明種5W19ミリ(2枚目)11.D6不明種6W8ミリ(3,4枚目)

12.D6不明種7W9ミリ(右)

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13.D6不明種8 W9ミリほかの2辺は8ミリ、変形によるものではないほぼ正三角形の腕足。蝶番部がわずかに膨らみ、他の2辺はわずかに弓なりに凹んでいる。こんなのがいてもおかしくないのだろうがちょっとビックリ。

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14.D6不明種9 W14ミリ

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以下はナンバリングしない。

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 全部で17,8種ほど、見覚えのないものが13種ほどであった。

 

 calceola(スリッパサンゴ)2個体、両方ともW9ミリ、

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 サンゴ類

 板状のものは通常小さな突起が並んだ状態で出てくる。実際の形状は板状または枝状の骨格に無数の穴が開いていてそこに軟体部がいるのだろうと、何となく考えていた。しかし右の2枚を見るとこの穴は意外と深く中で連結している。果たしてこれは「穴」で空洞なのか?軟体部がなくなった後の穴の中に泥が入り込んだものなのか?と思ってしまう。

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 今回、この突起の奥がそのまま残されたものが出てきた。穴は表面部分だけではなく、網目状の構造が何層も重なりそれぞれ連結しているようだ。まるでコケムシの雄型が重なっているように見える。こうなるとこれがすべて穴の開いた空洞とは考えにくい。骨粗しょう症の骨格になって形状を保持できないだろう。 D9のハチノスサンゴで書いた「海水が組織の内部まで浸透する構造だということだろうか?」というのもかなり怪しい。風化で溶けてなくなる部分と残りやすい部分からなる骨格の一部と考えたほうがよさそうだ。

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 素人が適当なことを言うなと叱られそうだが「どういうこと?」と考えてしまう。 

 

 不明

 間にもろい土のようなものを挟んで出てきた。厚さは2,3ミリだったと思う。ブラシであらかた取り除いてもきれいに分離できない。縦横5センチほどと大きく片方の外縁部にはっきり残っている円形をたどると全体では8センチほどあったと思われる。多分全体では扇型で浅いすり鉢状、根元の部分が厚いコケムシのような形のようだ。根元から放射状の筋があるのが何となく見えて、根元部分でよりはっきりと見える。果たしてこれが固い殻をもったものなのか疑問に思う。W45ミリの胸部もそこそこ大きいが小さな化石が多いこのポイントでこれが一番大きい。

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 ついでに普通のコケムシも出てきた。私が見て回っているデボンの産地では珍しい。コケムシがどういうものかも知らないのだが…。

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 D6は私が回っているほかのどこにも似ていない気がする。D1腕足ラインかとも思ったが違うようだ。地味なポイントになってしまったが、細かく割っても化石が出てくる。やはり何か出てきそうな気がする。

























 

 

 

北上山中にて自主隔離? その3

 Acanthopygeの尾部と思われた棘の生えた尾部はボヘミやんとフリックさんの鑑定では「北上2例目のCrotalocephalus!」とのこと。これは最大限の雄たけびを上げるべきところのようだが、想定外過ぎて今ひとつピンとこない。この三葉虫を多産する福地を有する飛騨外縁帯と呼ばれる地域ではファコプスが不在であることは論文で読んだ。なぜそのような偏りがあるのか、時代の比較がどうなっているのかは知るところではない。今回出てきたものは福地のものとはタイプが違うようだ。今後頭部などの追加標本が出てくれば種まで特定できるのかもしれないがどうであろうか?また幻のように姿を消してしまうのか?だんだん私にも妄想が広がってきた。今後の展開に期待したい。

 

 今回の採集品は5個の袋に分けてある。次の袋を開ける前にD9の石をもう少し叩いてみた。

 Toxophacops okanoi 胸部でW23ミリ

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 頭部、胸部、尾部がバラバラではあるがそろっている。もとは同一個体と思われる。この標本で注目されるのが頭部が前後方向につぶされていること。この場合圧縮されて変形しているのは頭部の前後方向で、厚みについてはほぼ変わていないと思われる。大砲のように突き出た複眼の本来の形状が見て取れる。前後方向ではやはり3分の1ほどに圧縮されて見える。(下段左)下段の雌型で数えると複眼は12列のようだ。Toxophacops okanoiと思われる。このファコプスの形状から見てもD4と同じ層とみてよいと思う。

 

 三葉虫は脱皮しながら成長するという。これがもし脱皮殻であるなら脱ぎ散らかした状態に見えないこともないが、通常脱皮殻に複眼のレンズが一緒にとれてしまうことはないだろう。雄型にレンズの痕跡が残っているのは脱皮殻ではなく死んだ本体が波にもまれてバラバラになったものということになる。いつも疑問に思うのだが、それでは一体波の力が及ぶ水深ってどのくらい?嵐の時は?とか考えてしまうのでやめておく。上の「黒太郎」もこんな感じで出てくれればいいのだが…。

 

 D9腕足ポイント

 D9の近辺には関連すると思われる腕足が目立つ層がある。ところどころで固まって出てくるところ、Kymatothyrisが目立つところは、やはりD4に似ている。今のところ三葉虫は出てこない。

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 Kymatothyris vandercammeni(Minato and Kato)

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 Navispira dorsosulcata(Okubo)

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Howellella? sp.

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 不明種1  Howellella? sp.より縦長、雌型に細かい放射状の模様が見える。

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 不明種2 Navispira dorsosulcata(Okubo)に似ているが形状が違うようだ。

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D1.D3近辺

 ボヘミやんにもらった論文などでD1黒色頁岩層の下位に「デボンの森」と 「H沢デボン」の層が位置する可能性が出てきたことでもう一度尾根沿いの露頭を探してみたが見つからなかった。

 今回D1を掘り進めることはしなかったが、D1腕足ラインの転石からいくつか目についたものを拾ってきた。

 ロストロコンク W、Lともに13ミリ、ここからも出てきた。

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 D3に放置していた腕足も回収してきた。新たに持ち帰ったものは「D1,D3周辺」のページに追加しておく。

 今回D1腕足ラインの西側(上位方向)も見て回ったところ25メートルほど上で胸尾部が出てきた。近くに複眼があったのでファコプスと思われる。この層は尾根まで続いていたが化石は少なく保存もよくない。Navispiraと思われる腕足が同じ石から出てきた。

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 D6に続く    











 

 

北上山中にて自主隔離? その2

 D9

 前回ポイントを見つけて実質30分しかやっていない場所。ここの続きが今回の目的の一つだ。他のポイントを見て回りながら今回2度ここに来た。転石を見つけたあたりから登り、続きの岩を掘り出してみたが変なシミが目立つ石に変わり何故だか全く出てくる気配がない。???。前回は掘り始めてすぐに出始めて持ち帰った岩にも結構入っていたので期待したのだが…。やはり均一にたくさん入っているわけでもないらしい。当然と言えば当然か?。釈然としないながら初日は近くの石から下の1個のみ。前回も見たのだが尾根沿いに露頭の上を見て回り、前回腕足を見つけたもう一つのポイントに回った。

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分離が悪く複眼と頭鞍の一部を雌型に持っていかれた。やはり圧縮されて平らだ。頭鞍部が黒く炭化して見え、もろいが頭鞍側溝が確認できる。W27ミリ。近くにも炭化した植物片と思われるものがある。右はクリーニング時に雄型の裏から出てきた。W25ミリ。さすがにここはこれで済ますわけにはいかないので2日後に再来。今度は尾根伝いに石を見ながら登った。露頭は30~40mくらいあるだろうか?今のところざっと尾根筋を見る限りでは化石が入っているのはこの30㎝のラインだけのようだ。今度は延長方向にずらして探し始めるとぽろぽろと出始めてくれた。

 胸部と尾部

 W30ミリくらいだろうか?割ったときにばらばらになった。拾い集めてきたが尾部の続きが足りてなかった。

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 W30

 これが今回の採集した中で一番きれいなものになる。本来かなりの急角度で立ち上がるはずの複眼はつぶれているが頭鞍のふくらみは少し残っている。複眼の数は…。

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W21ミリ

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 ここに限らずデボンの岩は層理や化石の有無に関係なく縦横斜めに茶色いシミを残して勝手に割れてしまう。ここは特にそれが言える気がする。どこも欠けずにきれいに出てきてはくれない。大抵は左の写真のように断面を見せて出てくる。しかも圧縮されているせいかその線もうっすらだったりする。以下今回産地で出てきたものと持ち帰った石から出てきたもの。

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残念1号W17ミリH14ミリ

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W23ミリ

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W20ミリの胸部 上下とも続きはなさそうだ。右は残念2号?

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尾部4個体

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 左は残念3号、中央は先端のみだが違うタイプと思われる。右はパッと見ると団子が4つ並んで見える。Atopophacops?隣に尾部の断面が見える。並んで出てくれればよかったが、多分セットであろう。先端が埋まっていれば形状が確認できるかも。W6ミリなのだが…。

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 残念なものが多い中で、今回持ち帰った何かの断面が見える石の中から変わったものが一つ出てきた。うれしいことに続きの石もちゃんとありつなげるとこんなものになった。

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 これがAcanthopygeの尾部だろうか?棘の数は3対?化石になる前にすでに壊れているが、かろうじて大体の部分が残っている。棘の付け根あたりでW17ミリH14ミリ、中段の棘の長さもWと同じかもう少し長い。金子氏の論文の図版よりも棘が長く見える。ボヘミやんのH1の標本とも違うように見えるがどうであろう?

 ともあれ、棘の生えた三葉虫は私も初めてだ。あまりきれいな標本とは言えないが私の中では今回で一番の収穫だ。

 

 今回D9から出てきた他の化石

 前回にも一つ出てきたサンゴと思しきもの 、今回もいくつか出てきた。

直径約15ミリ

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直径5ミリ、2個体

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およそ15ミリ

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 4個体出てきた。D4からもいくつか出ていて、2つのポイントをつなぐ材料の一つと考えている。これらを見ると、全体は単体サンゴのように円錐状ではなく、円盤状またはレンズ状であるあることが分かる。表面は中央に大きめのものが一つ、その周りに8個の単体サンゴのような放射状の構造が花びらのように並んでいる。裏面は特に目立つ形状は見られない。目を引くのはこれら9個並んだ構造がそれぞれ何本かの細いパイプ状のもので連結されていることだ。このような細かい形状まで残されているのがまず驚きである。もしゴム型を取るとしたらこれらの細い連結部を壊しながらでないと外せないことになる。これが中身が溶けてなくなった雌型であることを考えるとこの構造は「連結」ではなく隣同士を仕切っている壁にいくつか穴が開いていることになる。興味深い形状だ。「円盤状のサンゴ」で検索すると現生種がちゃんと出てくる。ディスクコーラルという言い方もあるようだがこのような形状のものはなさそうだった。

 

 もう一つ上のサンゴと思しきものと酷似した構造の奇妙なものが出てきた。

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 はじめ上段左の状態で出てきて持ち帰った。中央部で幅1センチほどの横長の穴が開いていて中に何か見えていた。この時点では棘の生えた甲殻類の甲羅の一部のように見えたが家で掘り進めるとこんな形状であった。少しづつ掘り進めたので反対側は残っていない。上段2枚目が途中の状態。上のサンゴ?と同様にレンズ状?の段面であることが分かる。掘り出すときに出てきた反対側の表面には目立つ形状はなかったと思う。W27ミリと上のものよりかなり大きい。下段中央を見ると、中央に菱形の突起、菱形の4辺に花弁のような形状が4つ接し菱形長軸方向にさらに2つ対角に全部で6個並んでいるように見える。6個だとすっきりするのだが切れた部分の続きの石がある。それを見ると切れた続きの他に黄色く変色したパーツがもうひとつある。途中でさらに二つに分かれているようだ。そして上のものと同じ「連結穴あき構造」が顕著に見られる。悩ましいのが表面の形状だ。上のものは各部分が放射状のサンゴと思われる形状であったがこの網目状の模様はサンゴと結びつかないように思える。これが雌型であることを考えると小さい穴がたくさん並んでいるのはブツブツの出っ張りがたくさん並んでいることになる。外骨格の表面の模様に見えてしまう。

  長々と書いてしまったが、要するに「こんなものが出てきたけどこれは何?」ということだ。上のものも含め分かる方がいれば教えていただきたい。 

 

Favosites sp.(ハチノスサンゴ)?W25ミリ

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 中央部に集まったパイプの断面が見える。6角形に見えないこともなく、これがハチノスサンゴだろうか?上の流れからすると角パイプについている無数の細かい突起はそれぞれのパイプを取り囲むパイプ同士をつなぐ通路ということになる。下段の2枚の写真で隣同士が連結されて見えるところがあるだろうか?確認できなくても多分そうであろう。海水が組織の内部まで浸透する構造だということだろうか?。この石を割ったとき中に心棒のようなものがあった。下段右、多分こうなっていたようだ。

 

腕足類2個体 左W15ミリ右W14ミリ

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 腕足は少なかった.数ミリの小さいものはあったがほとんどこの2つだけだった。D4不明種5と同じものか?

 

植物片

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 「陸地の近くの浅い海」を示すものか?

 

 以上が今回D9から出てきたものの全部になる。最後にD9の石を引いて撮って見た。

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 今回の残りの持ち帰った石はまだ新聞紙に包んだままだ。この石たちもまだ割れそうだし、頑張ると疲れるのでこれから先は少しづつ進めようと思う。